鈴木崇朗(バンドネオン)
三枝伸太郎(ピアノ)
西嶋徹(コントラバス)
江藤有希(ヴァイオリン)
(エルチョクロ伊藤さんによる写真)
エルチョクロでのライブに向けて、さらに練ったプログラムでお送りしました。
MCでもお話ししましたが、私にとってアルゼンチン・タンゴは魅力的な音楽だけど、弾くのが難しくもあり、それは技術面も、表現法にもいえます。
またその独特な表現法が心惹かれるところでもあるのです。
揺れ。
強烈なリズム。
楽器の演奏技術を極めたプレイヤーのために書かれた曲やアレンジも数多くあります。
2001年から参加している大編成タンゴ楽団「西塔祐三とオルケスタ・ティピカ・パンパ」が、私にとってのタンゴの入口であり、ずっと学ぶ場です。
「パンパ」はファン・ダリエンソのスタイルを受け継いだ楽団で、ヴァイオリンは現在5名。
この大編成楽団でのアンサンブルも他では味わえないものですが、小編成でのアンサンブルは、この10年くらい、遠ざかっていました。
理由は、2006年に患った腱鞘炎。
パンパで演奏するようになってから、少しずつ色々なタンゴの演奏家の方々からお誘いをいただくようになり、小編成での演奏の機会がふえ、学ぶ機会が一気にふえ、練習量もふえました。
当時の私には「タンゴのヴァイオリンは強くなくては」という先入観がずいぶんあったように思います。
本来そのような先入観は不要だったと今は思えますが、その頃は強く弾けない、ソリストとして前に出られない自分に悩んでいました。
そこにきて、長年の無理な奏法から腱鞘炎になり、休養することになりました。
休養後も、ずっと続けていたグループ活動としてコーコーヤや、パンパだけはペースに気をつけながら継続。
結果的に、小編成でのタンゴ演奏からは離れることとなりました。
手の調子もすっかり良くなり、2015年に、エルチョクロの伊藤修作さんのご提案で、フルート赤木りえさん、ピアノ青木菜穂子さんとのトリオ「ラテンの海は広すぎて」で、久々に小編成でのタンゴ演奏の機会をいただきました。
以前の先入観をとっぱらい、徹底的に柔らかいヴァイオリンを目指して取り組むと、昔より段違いに、楽しくなっていました。
もちろん、共演のお二人のお力も多大。
学校公演がきっかけで組んだ、今回の四重奏。
国内外で活躍する皆さんと演奏しながら、それぞれの素晴らしい音色、フレーズを味わい、あらためて、タンゴの魅力を体感したような気がします。
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